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第五話
[まずは相手の希望を尊重する]
家庭日用品とか文具などの長年の営業経験を積んだ人で、同じ範疇のもので何か優れた発明をした場合ならまだしも、商品というものはどのように製造して、どこにどのように売り込めばよいのかよく分からない人が、自分の発明の事業化に進むのは無謀だと思います。 前記のセーラアクト(株)が仲介した発明で、確か500万円の契約金の提示に発明者が応じずに商談不成立となってしまったケースがあったそうです。これは、発明者が欲張ったためにせっかくのチャンスを逃した例で、残念に思います。自分で事業化する自信がなければ、メーカーにあまり無理な要求を突き付けるべきではありません。 私の場合はそのように無理な要求を突き付けた経験はありませんが、それでも、あのときああすればよかったと反省していることがあります。 私は、従来よりも多くの枚数の書類を綴じられるだけでなく、2個を通常の綴じ方から90度回転させれば書類を冊子のようにまとめることができる新型のゼムクリップを発明しました。そのクリップは平成12年3月の第33回なるほど展で、14種類の特賞のうち唯一男性枠の審査委員特別賞を受賞し(名称は「回転クリップ」)、業界新聞の平成12年2月25日付『旬刊 ステイショナー』に無料で紹介して頂きました。(但し、写真が上下反対のため、なぜ冊子のようにまとめられるのか分かりにくかったと思います。)このアイデアについて、それより前に3社が関心を示してくれました。 まず、前記のセーラアクト(株)に仲介を依頼し、「メモクリップ」のメーカーのO社(拙著①参照)で検討して頂いたところ役員会で採用が承認されたという連絡がありました。その後、要請により図面を提出するところまで進んだものの、結局は断られました。 次に、セーラアクト(株)の展示会でこのクリップがある中国人社長の目にとまり、是非やらせてほしいということで、何度か会って交渉しました。しかし、実際に製造・販売するのは上海の大手文具メーカーで、私は直接そのメーカーと契約することを強く主張し、相手の社長はそれに強く反対したため、結局話が壊れてしまいました。今考えてみますと、相手の希望どおりにすればよかったと思います。 その話と並行して、本社が大阪のある中堅の文具メーカーと交渉しました。その社長から東京営業所に来てほしいと言われ、そこで話し合いました。ロイヤルティを聞かれたので、専用実施権の場合と通常実施権の場合に分け、低めの率を言いました。そのとき、何社かの有力問屋の意見を聞いてみたいと言われたわけですが、後日、断りの手紙を受け取りました。問屋としては、売れなかったときの責任問題があり、更に、たとえこの新型ゼムクリップがよく売れるようになっても、その分従来のゼムクリップの売り上げが落ちるので、積極的に賛成する気持ちになれなかったのかもしれません。 
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